世界一の珍味を求める贅沢なグルメス王に、グルメス王国の国民は苦しめられていた。悟空は、その王国から武天老師に助けを求めに来たパンジという少女と出会う。そして、パンジとともに武天老師のもとを経て、いざグルメス王国へ!だが、そこでは国王の手下であるパスタたちが持ちうけていた!!盗賊・ヤムチャも加わり、悟空たちは国王軍と大バトルを展開。その戦闘中、グルメスが急に巨大化するが!?
(引用 amazon DRAGON BALL THE MOVIES #15 ドラゴンボール 神龍の伝説 [DVD])1986年の日本のアニメ映画。劇場版ドラゴンボール第1作。
悟空とブルマの出会いからドラゴンボールを7つ集めて神龍を呼び出すところまでを映画版独自のストーリーにアレンジしながら60分弱でまとめた作品になっている。
もう一つのドラゴンボールといった風なパラレルな設定ではあるものの、概ね原作とアニメのストーリーに沿ってテンポ良く展開されるので、ドラゴンボールを全く知らない人が初めて観るのにもうってつけの出来になっていた。まとめ方もうまく、オリジナルの方でインパクトのあったシーンはきっちり採用されている。
完全に映画オリジナルの要素としては、グルメスという敵の存在が挙げられ、七つの大罪でいうところの暴食が当てはまりそうなグルメスとグルメスの軍隊が悟空達と衝突していく。
軍隊や組織、銃を持った同じ人間達と戦いを繰り広げるところや、世界のあちこちを巡り、ユニークなキャラクター達との出会いを繰り返していくことで悟空と共に視聴者が摩訶不思議アドベンチャーの感覚を共有できるところが、初期のドラゴンボールらしくてとても良かった。
この頃のドラゴンボールは格闘漫画というよりも、冒険物語という方がしっくりくるものだったのだなと改めて思わされた。
なお、本作ではドラゴンボールによる願い事の成就が映画のラストの締めくくりにふさわしい感動的な使われ方をしている。
オリジナルに込められた、折角集めたドラゴンボールの願い事がよりにもよってウーロンの「ギャルのパンティおくれーっ!!!」で終わってしまう、私利私欲のためにドラゴンボールを集めることへの痛烈な皮肉が少しぼかされて分かりにくくなってはいるものの、一方で、欲望に支配された人間の醜い一面をドラゴンボールで「救済」しようと試みるところは、映画版ならではの手法で興味深かった。