毎年のように出てくる10年に1人の逸材が今年もまた現れる。
済美 4 - 1 済々黌日本のプロ野球では日本ハムのルーキー大谷が投手と野手の二刀流ということで世間を騒がせていますが、甲子園に現れた怪物、済美の安楽智大選手も投打に圧倒的な存在感を示してくれました。
躍動感溢れるフォームからの投球は、通常は140km/h前後でも、ここぞという時の力の入るシーンでは150k/h近いスピードが安定して出ていて迫力十分でした。
打撃と守備も素晴らしく、非常に野球センスを感じさせる選手でした。これでまだ2年生というのですから、将来がとても楽しみです。まだ上体で投げているような感じで、荒削りな素材型というのがまた大きな期待を抱かせてくれます。
ただ、それだけに怪我には気をつけて欲しいところです。安楽は延長に及ぶ激闘を繰り広げた初戦となる広陵戦で230球近く投げ、今日の済々黌戦でも9回完投で約150球を投げていますから、安楽の迫力と野球センスに魅せられれば魅せられるほどに、こんなに投げさせて大丈夫なのかなと、ついつい心配してしまうところでもありますが、エース安楽を降ろして休みを与えさせてくれない、それだけ厳しい戦いだったので、仕方がないのでしょうか。実際、済々黌は大竹投手のピッチングが素晴らしく、バッターも安楽の投球に食らいつきながら捉えていて、堅実で強いチームだなと思わされました。
投手戦を制した済美高校、次はベスト4を懸けての準々決勝。
相手は史上初となる甲子園大会3連覇を狙う大阪桐蔭となるのが濃厚か、それならば、まだまだ安楽を休ませることはできないか、と思っていたのですが、なんと、その大阪桐蔭が県立岐阜商業に敗れてしまいました。
県岐阜商も非常に良いチームですが、エースの藤田投手が今日の試合で死球を受け、どうやら負傷したのではないかと思わせるような様子を見せていたので、済美と県岐阜商の試合はもしかしたらお互いがエースを休ませての戦いになるかもしれません。ここまで上がってきた両チームですから、どういう条件で挑むにせよ、きっと良いゲームを見せてくれることでしょう。