BUNNYBLACK [アダルト]クセがあってとっつきにくいながらも、ゲーム性の高いエロゲーを発表し続けているソフトハウスキャラのRPG。
人間の冒険者だった主人公が魔王に敗れ、今度は魔王の手下として人間達と戦うというエロゲーらしいブラックなシナリオが面白い。ただ魔王の手下に甘んじるのではなく、人間たちと時に戦い、時に協力しながら、階級を上げて魔王の座まで駆け上がっていくという立身出世の要素がシステムに組み込まれている点も主人公と世界観への感情移入を促し、熱くなれてとても楽しかった。
序盤の戦力が整っていない時に人間の冒険者や兵士のパーティと遭遇するととても太刀打ちできず、絶望しかないところから徐々に状況を逆転させていくところに、主人公たちの成長を実感できるのが良い。
酒場からクエストを受注し、それをこなしながらストーリーを進めていく3DダンジョンタイプのRPGで、戦闘参加メンバーは最大9人まで、更にリザーブにもキャラを置けるという大規模パーティでのバトルだが、格というコストの制限によって良いメンバーで揃えようとするととてもそんなに連れていけない、そういうやりくりの難しさが最初から最後までプレイヤーを良い意味で悩ませてくれる。
なお、主人公以外の仲間はAIがオートで行動するのだが、このAIがあまり賢くないので回復などの重要なサポート行動は主人公で担うことがスムーズにゲームを進めるコツになっている。
また、操作性が良くなく、UIの出来の悪さがゲームのテンポを非常に落としてしまっているのが残念だった。
しかし、全体的には悪いところ、不自由なところも含めて、やりごたえのあるクラシックなRPGを感じさせる作りであったし、シナリオとシステムが絶妙にマッチしている点が非常に好感触の作品だった。
最終クエスト挑戦時のパーティ。高レベルになるとスキルポイントが余ってきて、かなりぬるくなってきます。スキルが回数制なので、ゲームが進むほどに継戦能力も上がっていき、シビアな序盤のバランスが中盤終盤になると大味で大雑把なものに。唯一、格だけは最後まできつかったです。