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読んで遊んで沈んだ記憶

主に日記です。

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下級生 (ゲーム SS)

下級生下級生

下級生を知っているか。今から下級生の話をする。下級生というのはエルフというエロゲーメーカーのエロゲーなんだけど、今から話す下級生はエロゲーをセガサターンに移植した、子どもがプレイしても大丈夫な方の下級生だ。でも、このゲームは18歳未満禁止ではないけれど、18歳以上推奨という日本語マジックによるレッテルを貼ることで、ビジュアル的には下着ばっかりの、テキスト的にはセックスが当たり前に存在する、とてもコンシューマーゲームとは思えないようなエロエロゲームになっている。僕は当時、「子ども」だったけど、このゲームに出会った。

僕はセガサターン派だった。それは思春期における反抗期のように任天堂の子ども臭さに対して嫌悪感を抱いたとか、アンチソニー(プレイステーション)だったからとかではない。むしろ、僕はFF7がやりたかったし、闘神伝もやりたかった。その意味では、プレイステーション派だったといえる。
だが、たったひとつ、セガサターンを選択するきっかけになったものがあった。エヴァンゲリオンのゲームがセガサターンで出たのだ。これは大きかった。他にも爆れつハンターなどテレ東系のアニメをゲーム化したものが、セガサターンで出た。
僕はエヴァンゲリオンをきっかけに大きなお友達向けアニメにはまったクチで、当時は何よりもその世界が大事だった。そこから声優を知って、林原めぐみや国府田マリ子のラジオを聴くようになったし、アニメイトにも足を運ぶようになった。

僕はエヴァンゲリオンが大好きだった。エヴァのためにサターンを買っちゃうぐらい好きだった。一番初めの劇場用エヴァ「シト新生」のあまりの中途半端な出来を許せたぐらい好きだった。
それぐらい好きだったから、エヴァンゲリオンのゲームはサターンだけではなく、Windows用にも「鋼鉄のガールフレンド」という名前でゲームが出るという情報を耳目にした僕はパソコンゲーム雑誌も買った。それがコンプティークだった。
僕は鋼鉄のガールフレンドの情報を集めるためだけにコンプティークという雑誌を購読し続けたのだ。コンプティークを知っているだろうか。当時、僕の目から見たコンプティークはコーエーの歴史SLGやルナティックドーンのような硬派なゲームのリプレイ記事や一般向けキャラゲーの特集にエロゲーも当たり前のように混ぜた、なんでもありというような雑誌だった。そういう時代だったのかもしれない。

僕がブログに映画の感想や食べたものなどとごちゃ混ぜにして、ためらうことなくエロに対する感想をアップしているのも、コンプティーク(とセガサターン)の影響は大きい。
ネットが、やましいもの、後ろめたいもの(性)に対して、アカウントを切り分けて、潔癖な自分だけを見せる場にしていいのかという思いもある。

コンプティークには当時、エロゲーとエロアニメのエロシーンを詰め込んだ袋とじの紙の特集企画があった。僕はそこで性を知った。
皆さんは高校生にもなって射精や赤ちゃんの作り方を知らない女性をどう思いますか? 本作『下級生』のヒロイン結城瑞穂がそうだが、そういう設定のキャラについてどう思いますか? 童貞の妄想乙だと思いますか?

恥ずかしながら僕は高校生になって、コンプティークによるエロゲーのエロシーンを知るまで、性についてかなり奥手だった。勿論、爆れつハンターのようなあかほりさとる系のアニメには性行為のメタファーが散りばめられていたし、外国映画にもベッドシーンがあったのだが、著しく情欲を煽られる形で具体的なものを見たのはコンプティークが初めてだった。
それは衝撃だった。首輪をつけた女の子がポコチンを舐めているのだから。ただ、重要な部分にはモザイクが入っているわけですので、ポコチンだとわかっているのだけど、いまいちポコチンだと認識できなかった。それはなぜかといえば、そこに描かれたペニスがキノコの形をしていたのだけど、僕のは包茎だったので、当時は包茎ということも知らなかったけど、皮を被っていたので、よくわからなかった。なにかこう、勃起以外にも特別変形があるのかとか。うまく想像できなかった。

それでもコンプティークの購読をしているうちに、性についての興味関心が煽られていき、とうとう高校1年の冬休みに初めてのオナニーに成功し、自発的行為による射精を経験する。

さて、セガサターン用の下級生が出るのが1997年の4月25日である。それは僕がオナニーを覚えて猿になっていた高校2年の春のことだった。前年より鋼鉄のガールフレンドの記事を目当てにコンプティークを購読していた僕は、下級生も雑誌で大きく取り扱われていたので注目していた。しかし、僕はPC-98マシン(パソコン)とやらを持っていなかった。僕はただ、雑誌を読みながら卯月学園(ゲーム内の舞台となる高校の名前)での生活に憧れていた。

それは既に鋼鉄のガールフレンドを諦めていた頃だった。サクラ大戦やときめきメモリアルにはまっていた頃だった。僕はとてもウインドウズマシン(PC)は高くて買えない。特に鋼鉄のガールフレンドを動かすにはいいパソコンを買わないとだめだというから、霧島マナ(鋼鉄のガールフレンドのヒロイン)については諦めようとしていた。後(1998年)に、鋼鉄のガールフレンドはセガサターンでも出るのだが、この時はそんなことを知る由もなかった。

もう鋼鉄のガールフレンドを諦めた僕にとってコンプティークはコーエーのSLGのリプレイ記事とエロゲーのエロシーンを見るためだけのものになっていた。そんな傷心の僕を救ったのが下級生サターン移植の報せだった。

信じられなかった。いや、期待はしていた、セガサターンには18禁の、いつまで経っても中古で安くならない野々村病院の人々などのようなエロいらしいゲームが出ていたからだ。

実際にサターンで下級生が出ることを知った時、僕は絶対このゲームを買うことを決めた。雑誌の記事をみるだけで、このゲームはやるべきゲームだと感じ取っていた。パンツが見えるゲームだったから。僕はサターンを選んだことを感謝した。エヴァンゲリオンに感謝したし、シト新生を許したし、少年エースに読める漫画が全然ないことも許した。

高校2年、1997年、僕は新しいクラスで1年時の男子クラスメイト全てとバラバラにされていた。孤立していたわけではないが、1年時のクラスメイトの方がウマがあっていたので心細さはあった。

下級生は新宿のヨドバシカメラで買った。4月の終わりだったか、5月の初めだったか、鎌倉への遠足があったのだ。高校になってから、僕は千葉駅の繁華街に繰り出すことが多くなり、セガサターンやサターンのソフトは千葉のヨドバシカメラで買っていた。

ヨドバシカメラで買うと、ポイントカードを作るわけだが、そこで住所登録をしたからか、やがてヨドバシカメラの会報が届くようになった。会報には全国のヨドバシカメラの店舗が掲載されており、僕はヨドバシカメラによってサターンに導かれた者として、新宿のヨドバシカメラには一度は行ってみたいと思っていた。

その機会が訪れたのが、鎌倉遠足だった。高校生の遠足なので現地解散となり、帰りはフェリーで房総半島に帰るなりして自由にしていいと教師は言った。僕はフェリーには乗らず、何人かのウマの合う友達と新宿へ向かった。ここからが俺たちの本当の遠足だった。俺は下級生を求めて鎌倉から新宿へと向かった。

新宿はそうだね、迷路だった、僕みたいなカッペにはどこに出ればヨドバシカメラに行けるのか全然分からなかった。新宿西口っていうから、西口から出てるはずなのに、何故か都庁に出てしまうという、そんなことを何度か繰り返しながら、ようやくヨドバシカメラについた記憶がある。

西口だったのかどうかは結局わからなかったが、たどり着いたヨドバシカメラは千葉のものに比べて貧相だった。ゲーム売り場のある棟は縦に長く、敷地面積を狭く感じるものだった。僕は新宿に絶望した。それは、東京駅の京葉線ホームまでの距離と同じぐらい僕を現実というものに対して疲れさせた。

でも、下級生は良かった。これは思い出があるからだけじゃない。下級生は本当に素晴らしいゲームだった。今度、また、PC版の感想として、ゲームについては書こうと思うが、男を救う純粋さを放つ少女たちの姿と、見事なまでに統一された清楚で野暮ったい白くて眩しい下着に僕は救われた。

僕にとって下級生は青春そのものなのです。あなたが、今、送っているような青春を、僕もかつて送った。堂々といこう。

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