ピーナッツ プレミアム・エディション [DVD]かつての名門草野球チーム「ピーナッツ」において伝説の三塁手と呼ばれた主人公・秋吉光一は、ふとした事から今や弱小チームと化してしまったピーナッツの建て直しに取り掛かる。キャプテン・相良たちの住む街の再開発の是非を懸けて、ピーナッツは強豪チームと戦うことになるが・・・。
平均年齢35歳のおじさんになった元野球小僧たちが、人生に悩みつつも前を向いて生きていく勇気を取り戻していく姿をコミカルに描いた青春群像劇。
(引用 Wikipedia ピーナッツ (映画))2006年の日本映画。
ウッチャンナンチャンの内村光良の初監督作品で、主演も彼が務めている。他の出演者も、さまぁ〜ず、TIM、ふかわりょうなど、主だったところは『内村プロデュース』というバラエティ番組の出演者で固められており、芸人内村の色、良さを全面に出そうとした作品になっていた。
プロットとしては、中年親父達が草野球を通して熱くなり、大切なものを取り戻す、あるいは守り抜くという、青春よ再び的なものとして構成されており、シャッター商店街を中年親父達の情けない姿のメタファーとして扱い、大手企業による再開発に抵抗し、商店街と野球場という誇りを守るために戦う一連のストーリー展開がベタ過ぎるし、コメディとしてもかなりゆるいが、終始ほのぼのとした雰囲気の中で、人間同士の繋がりへの信頼の描き方が、内村監督の出演者に対する信頼と重ねられていて、温もりと共に伝わってくるのが良かった。出演者も監督の信頼に応えて、芸人のままで見事な演技をしていたと思う。
本当に野球が好きだというのが伝わってきたのも好感が持てた。草野球の試合のシーンでは、この手の映画でありがちな不自然さや貧相な感じがほとんどない。迫力がないところですら、リアルな試合シーンとして見事に演出されていた。スタントマンやCG合成などの技術は使わず、キャスト本人たちが実際に演じているとのことで、その手作りへの熱意とこだわりが、映像として、泥臭さとして伝わってくるのである。
ただ、内村監督が自分たちの「良さ」を出そうとしすぎたために、落ちぶれた中年達の存在による諧謔が嘘臭くなっていて、ドラマの起伏も乏しく、やり取りそのものが上滑りしてしまっていたのは残念だった。