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読んで遊んで沈んだ記憶

主に日記です。

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漂流教室 (漫画 楳図かずお)

漂流教室 (1) (小学館文庫)漂流教室 (1) (小学館文庫)

高松翔は、大和小学校の6年生。ある日、翔は母親とケンカをしたまま学校に行き、授業中に激しい地震に襲われる。揺れはすぐに収まったが、学校の外は岩と砂漠だけの荒れ果てた大地になってしまっている。突然の出来事に皆パニックに陥り、発狂した教師は全員亡くなってしまう。やがて荒廃した世界の正体は滅んだ未来の世界だと知った子供達は互いに協力し、大和小学校を拠点とした「国」を築くことを決意する。しかしそんな彼らに容赦なく降りかかる惨たらしい現実。飢餓、内紛、伝染病、そして未知の生物や未来人類たちからの攻撃。翔らは受け入れ難い現実を一つずつ受け入れながら、凛々しく成長していく。

(引用 Wikipedia 漂流教室


小学校ごと荒廃した未来の世界へ飛ばされてしまった子どもたちが狂気に支配された社会で過酷な生存競争を繰り広げるSFホラー作品。

一緒に荒廃した未来に飛ばされた大人たちは皆無責任でエゴイスティックに描かれており、子どもたちはその大人たちのエゴという恐怖と対峙しながら、そこに新たな国を作る。しかし、厳しい環境下で不安と妄想に取り憑かれてしまう子どもたちは、疑心暗鬼を募らせ、子ども同士で凄惨な殺し合いを繰り返す。
本作の子どもとは単純に児童であるというだけでなく、大人の等身大の姿としての子どもという、鏡像としての意味合いを兼ねており、子どもが様々な「大人」の真似事をする様が、迫力とリアリティを以って描かれるほどに、滑稽さと哀愁が増してくる。
そんな子ども達を遠い世界からしばしば救うのが母親の強い愛情になっており、それもまたひとつの狂気として表現されているし、狂気によって齎された希望だから、また歴史は繰り返すのだろうなという暗示を見出してみることもでき、楳図かずおらしい恐怖や痛みに簡単に思考が奪われギャーという叫びと共に踊り狂う、ともすれば単調なリズムに感じるその流れの中に様々なテーマが込められていた。

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