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読んで遊んで沈んだ記憶

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カイジ2 人生奪回ゲーム (映画)

「カイジ2 人生奪回ゲーム」DVD 豪華版「カイジ2 人生奪回ゲーム」DVD 豪華版

数々の命懸けのゲームに勝利し、多額の借金を帳消しにした伊藤カイジ(藤原竜也)。
まさに人生の逆転を果たしたと思いきや、1年も経たないうちに、またしても借金まみれの「負け組」に。
再逆転を目指すカイジが今回挑むのは、当たれば10億円以上稼げるモンスターマシーン、通称“沼”。
ただでさえ難攻不落の“沼”を、更に100%攻略不可能なようにコントロールしているのは、裏カジノの若き支配人・一条聖也(伊勢谷友介)。
しかも、カイジと一条の間には、驚愕の因縁があった。地上300mの超高層ビルの間に渡された細い鉄骨を渡るという、まさに命懸けのゲームに挑戦して渡りきった男は、一条とカイジの二人だけだったのだ―
そんなカイジにとって最大最強のライバル・一条が支配する”沼“を攻略するため、今回カイジは、同じ「負け組」の石田裕美(吉高由里子)、
坂崎孝太郎(生瀬勝久)、そして前作でカイジの行く手を阻み続けていた利根川幸雄(香川照之)とまで手を組む。
それぞれの理由でドン底の人生を送る「負け組」 4人が、希望ある人生を奪回するため、またしても命を懸けた数々の究極のゲームに挑む!!

(引用 amazon 「カイジ2 人生奪回ゲーム」DVD 豪華版


2011年の日本映画。実写版カイジ第2作。

本作は地下チンチロ・沼パンチコ・姫と奴隷がギャンブル種目として描かれる。姫と奴隷は映画オリジナルとのこと。
地下チンチロは作品冒頭のわずかな時間にしか描かれていない。本作の実質的なメイン種目はパチンコ「沼」になっており、沼パチンコの展開上に姫と奴隷がエッセンスとして採用されている。

1作目で既に地下強制労働場が取り入れられているし、原作の沼パチンコ編の遠藤とカイジの金の貸し借り、遠藤がカイジに人生を託す名シーンが使われており、ほぼやりつくしたような感はあったので2作目はどうかなと思っていたが、実際に観てみるとそんなに悪くはない。

原作をリスペクトしつつも、カイジを藤原竜也、利根川を香川照之というキャスティングをうまく利用して実写ならではのニューカイジワールドを作ろうという気概が作品から伝わってきたし、本作ではカイジと利根川が共闘するのだが、利根川が威厳ありそうでどこか小悪党的なマヌケさがあるところが香川照之らしく、そうであるからこそカイジと共闘しても違和感がない柔軟な展開を見せてくれている。

不満点は、序盤の地下チンチロ編からから地上編に移るまでに何があったのか、予め原作を読んでいた人じゃないと把握しにくい。カイジは地下強制労働場の仲間達の運命も背負って地上に出てきたようなのに、そのあたりの設定は便宜上使われた程度にしかなっておらず、展開に全然反映されていない。

それと、パチンコ編屈指の名シーン、遠藤が追い詰められたカイジに金を貸すシーンを前作でやってしまっているから、本作でやってくるそのシーンその時がオリジナルのものになっているとはいえ、切実さと迫力に欠け、更に既視感を抱かせるというあまりよくないパターンに陥っていた。

前作の遠藤が女(天海祐希)であり、マドンナ的ポジションだったが、本作では石田の娘がそれになっている。演じているのは吉高由里子だが、はっきりいって冴えが見られず稚拙な演技。これでカイジとの騙しあいに一応参加するというのだからきつい。

あと、展開が早いのはいいが、ギャンブルシーンでの駆け引き・読みあい、及びそれを引き立てる「溜め」が弱すぎなところも前作同様気になった。

などなど、挙げれば不満もあるのですが、目も当てられないほどの漫画原作の映画化失敗が多いことと邦画のレベルを考えれば、実写でこれだけやってくれればとりあえず満足といえる程度の出来ではあると思いました。

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