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読んで遊んで沈んだ記憶

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リアル鬼ごっこ (映画)

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全国で最も多い苗字である佐藤姓の人物が変死する事件がおきていた。そんな中、不良の佐藤翼は対立グループの佐藤洋に捕まったが、気が付いた彼は別の平行世界、パラレルワールドに飛ばされていた。近くの同級生も話を聞いてくれない、そのとき、洋が自分に向かって突進してくるが、洋も何かに追いかけられていた。捕まえて話を聞くが自分のことを知らないという。この国の国王が佐藤を捕まえて死刑にするリアル鬼ごっこを強要していた。残りは2日。翼は訳の分からないゲームに強制参加させられてしまう。

(引用元 Wikipedia リアル鬼ごっこ


2008年の日本映画。
原作小説は荒い文章と構成ながらそのアイディアが受けて大ヒットしたのだとか。

全国にいる佐藤姓の人を対象に行われるリアル鬼ごっこ。
誰もが子どもの頃遊んだことある遊戯が日本全国を舞台にした壮大なスケール、捕まれば死というスリリングな展開で描かれる。
ということを期待したのだが、実際はせせこましく、中身が薄いものだった。

原作のアイディアを元に低予算でアレンジを加えたものらしいが、それならそれでもう少し建物などの閉所を利用するなどして鬼ごっこのシチュエーションとスリルにこだわって欲しかった。
実際は街中を走り回っているだけでアクションともいえないような迫力のない退屈な動きを淡々と見せられているだけなのが残念だった。

ストーリーとしてはティーンを主人公にした青春要素のある作品だとどうしてもテーマとして恋愛とセックスに傾きがちだが、本作では主人公が不良少年の割にテーマが家族と友情に絞られていて、ファミリー層を意識したような上品さがあったのは良かった。
ただ、登場人物同士の駆け引き・やりとりが弱く、家族であるといった既成の事柄だけに頼り過ぎていて切実さと訴求力に欠けていた。

リアル鬼ごっこに細かいルールは存在するものの、バトルロワイアルのようにそのルールを活かした展開などがなく、世界観の緻密さを感じさせない点も勿体無い。

キャストは意外に演技は悪くなかった。
ただ一人、王様役で出演した柄本明がやる気なかったのか、それともあえて小物・凡人っぽく演じたのか、一番演技力に期待できる存在なのに、輝きを出せていないところはがっかり。

全体的に大雑把な出来で凡作といったところだが、アイディアは確かに面白く、低予算でも見せ方次第、話も作り方次第でかなり面白くなりそうな、日本特有の傑作ホラー作品に化ける可能性を秘めてるんじゃないかと自分は思った。

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