5月。うさぎ山神社でのお祭りの日が近づき、賑わいを見せる商店街。
準備で盛り上がるたまこ達をよそに、あまり乗り気ではない様子のあんこ。
どうやら、お祭りよりも大事なことがあるようで・・・・・・?
思い願いが叶わずも、思い通りに行かずとも、別の道は別の花。新たな花が咲いている今回のエピソードの主役は主人公たまこの妹であるあんこ。小学生の彼女にスポットライトが当てられている。
どうもあんこの場合は、お餅(家であるとか商店街・集団などの伝統)が素朴に大好きなたまこと違って、なんで自分の家がお餅屋であるのか、自分が家の手伝いをしないといけないのか、ということに少なからず疑問と不満を抱いているようだ。それは、「普通」とは違うことへの年頃の恥ずかしさでもあり、
前回の史織とのエピソードで出た、うさぎ山商店街の外と内での世界の違いをより突っ込んだ形で描かれている。もしかしたら、たまこが幼い頃通ってきたかもしれない道をあんこというキャラクターを通して表現しているところもあるのかもしれない。
いずれにせよ、あまりに無邪気で明るすぎるたまこに比べて、喜怒哀楽を豊かに表現するあんこは魅力的にストーリーを演出していた。彼女の子どもながらの恋が描かれている。今までの回で感じていた少女漫画風の雰囲気を一気に出してみたところがあって、思い切ったベタな恋愛話を、子ども(小学生)だからという設定と、爽やかイケメンの男の子の方ではなくて、おとなしめのちょっとオタク風の男の子の方に片思いさせてみたから、というオチをつけて赦しを乞うているようなところに、男性視聴者に対する過剰なまでの配慮が窺え、その男の子(視聴者)への繊細な気配りが、家や商店街に縛られながらも笑わなければならないあんこをメタ的に見てしまって、それが話を切なく彩っていたし、恋のお相手の真相のオチが非常にエッジの効いたものとして演出されていたと思う。