エウシュリーの新作 『魔導巧殻 闇の月女神は導国で詠う』の体験版をプレイしてみました。ジャンルは戦略級SLGとなっており、エウシュリーのSLGやRPGは非常にクオリティが高いので今回の作品も期待してしまいますね。昨年に出た『創刻のアテリアル』ではカードゲームに挑戦していましたが、個人的にはいまいちでした。果たして、本作はどうでしょうか。
戦闘はRTS。体験版でやる限りでは、相手の攻撃に耐えながら必殺ゲージを溜めて、溜まったら特殊攻撃をしてれば簡単に相手の部隊を殲滅することが出来ました。1戦ごとに減った小隊をマメに補充していけば、適当に敵部隊に突撃していくだけで戦闘に勝利できるようになります。このあたりは序盤ということもあるのでしょう。体験版では敵のユニークユニットが必殺を使って来ませんでした。
ダイナミックでスリリングというよりは、RPG的に何度も同じ作業をさせることを前提にしたシンプルで手軽なものになっているんですが、その割にはユニットの操作や出撃・編成等の様々な設定がわずらわしいと感じるほどにし辛く、よほど世界観やキャラクターにはまらないと飽きが来るのが早いかも、と思ってしまいました。
3部隊までしか同時に出撃できないのでどうしてもスケールの小ささを感じてしまう、敵の進行方向にこちらの部隊を配置して阻もうとしても敵がすり抜けてしまうので、その度に手動操作で微調整が必要だがそれが少し面倒に感じてしまう、AIに操作を任せることもできるがあまり賢くなく、防衛側ではAIのもたもたした指揮行動だと次々に施設を破壊されてしまうのでAIに任せるのをためらってしまい、結果的に手動操作で単調な作業を細かく繰り返してやっていかないといけないなどがちょっと気になりました。
ターン形式の戦略パートでは各地域ごとに箱庭内政をして、人口と収入を増やして豊かにしていきます。ビジュアル的にやや窮屈で、施設を建設して都市を発展させていくほど、商会や斡旋所、娼館などの重要な施設が周りに埋もれてしまうようになるのが少し残念でした。
また、敵に侵攻されると塀の外側の施設はあっけなく壊されてしまうので、壊されたところをいちいち手動で建てなおしていかないといけないのが面倒でした。体験版では毎ターン、敵が攻め込んできてましたから。
全体マップはかなりの広さを感じさせ、このゲームに相当なボリュームがあることを期待させてくれます。
魔導巧殻というのは小さな人型兵器のことらしいです。公式サイトのラフイメージを見る限りではエンジェリックレイヤーとか手のひらサイズの妖精タイプのようなものかと思ってましたが、公式設定としては身長約70cmのサイズだそうで、それなりに大きさはありますね。エロゲーであることを考えれば、これならHシーンの描写も期待できる、といっていいところでしょうか。
魔導巧殻研究所という施設を建設すれば、そこで着せ替えをさせて自分の好みに能力やスキルをカスタマイズできるのが楽しかったです。体験版ではありませんでしたが、製品版ではビジュアルが大きく変わるものも存在しているかもしれません。
体験版をやる限りでは、自分が今までやったゲームだと『信長の野望 天下創世』に近いと感じました。
同時に出撃できる部隊が3部隊までなのに象徴されるように本格派をウリにしている硬派な大作に比べるとさすがにスケールダウンしている感は否めませんでしたが、先が気になるストーリー展開やキャラクターの個性と魅力などが光っており、はまれば中盤以降もダレない、あなたにとって最高の戦略SLGになる可能性を秘めていると思います。エウシュリーなので、周回前提のやりこみ要素も盛り沢山のことでしょう。
既に公式サイドで検討していただいているとのことですが、体験版で気になった戦闘のバランスやUIなどをもう少し改善してくれれば、かなり期待できるのではないでしょうか。
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