伊藤潤二恐怖マンガCollection (7)収録されているのは『なめくじ少女』『漂着物』『黴』『寒気』『旅館』『うめく排水管』『バイオハウス』の7編。今までの恐怖マンガCollectionに比べると、ドラマ性よりも虫や怪物的な異形の不気味な醜さを表現したビジュアルを全面に押し出した作品が多く収録されている。
作者らしいセンスのある起承転結の作り方とシュールさは見事なのだが、『
富江』などに比べると醜の要素だけで、二面性がなく、一本調子で押し切る形の作品ばかりなのが気になった。
表題作の『なめくじ少女』は、舌がなめくじになった少女がやがて全身を乗っ取られてしまう話。なめくじをなんとかしようとした両親によって少女は塩漬けにされるが、体が溶けてしまい、残った顔の部分を殻としたナメクジによってカタツムリ化してしまう。