実況パワフルプロ野球2012決定版2004年度版の
パワプロ11決定版以来のプレイとなったパワプロ2012。
選手(プレイヤー)個々に固有の顔グラフィックが表現されているところなど、PS2からPS3にハードが変わったことを強く感じさせる進化されたグラフィックにちょっとした衝撃を受けた。
ゲームとしては、統一球が採用された日本のプロ野球事情をリアルに反映しすぎた結果か、よほど綺麗に芯で捉えないとほとんど飛距離が出ないのが開幕版の手応えだったが、決定版では修正されたとのことで、確かに、開幕版に比べれば、下手の素人プレイでも前に飛ばしやすくなっているとは感じた。それでも、かなりの投高打低で、そのあたりにも隔世の感があった。
また、守備時の選手がデフォルメキャラとは思えないほど細かく動いてくれるのだが、そのぶん、もっさり気味になっていて、初めてプレイした時は、ややテンポの悪さを感じた。しかし、プレイしていくうちに、このゲームはそれを逆手に利用することで、選手個々の守備能力の差をわかりやすく表現するシステムになっているのだと気づいた。
スローボールが廃止されて、ストレートと全力ストレートの概念が導入されているところにも工夫が見られて、良かった。久しぶりにやるからこそ、マイナーチェンジの繰り返しで積み重ねられてきた改良とギミックが、大きな感動として味わえるのかもしれない。
マイライフは最大20年までプレイ可能。つまらなくはないのだが、イベントが少なく、基本的に、「食事」をして試合に出場することの繰り返しだけで、作業感を強く意識してしまう出来になっていたのは残念だった。
サクセスモードは、猪狩守と早川あおいの世代が活躍する大学編で、パワフル大学、満通万教育大学、西強大学の3つの大学を選んでプレイすることができる。システムはそれぞれに特色を出すためにクセが出てくるのは仕方ないとはいえ、シナリオも変化球的な勿体ぶった作りになっていて、キャラの魅力をうまく活かしきれていない、盛り上がりの弱い点が惜しかった。
なお、決定版ではパワフルナインというWBCをモチーフにした世界大会に挑戦するモードがあるのだが、とってつけたような、ただのトーナメントモードだった。イベントがまるでなく、適当に練習メニューを選んで試合をしていくだけで、一回やれば十分と思ってしまった。ただ、試合時のBGMは熱くて格好よくて盛り上がったので、そこはペナントとかに流用して、自分なりにアレンジできたらよかったのにとは思った。
デフォルトのチームでは巨人が圧倒的に強く、選手の高齢化のためか、中日が成績低迷に悩まされていた。パ・リーグではオリックスが開幕版では強めだったが、決定版では、能力見直しもあってか、若干、勢いがなくなった。
現実のWBC2013では、日本は悔しい結果で終わったので、パワフルナインで実際のWBC日本代表のメンバーで構成して優勝してみました。パワプロでの能力(DEDCBA)を考えると、井端が5割超えの打率でベストナインのDH部門に選ばれるのは想像できない次元です。自分のパワプロでは、阿部はよく打ってくれたのですが……。