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読んで遊んで沈んだ記憶

主に日記です。

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仏陀再誕 The REBIRTH of BUDDHA (映画)

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はるか昔、2500年前、あのインドにおいて、王子として生まれたゴータマ・シッダールタは人生の答えを探し求めて、その国も地位や名誉も妻子をも捨てて、出家し修行の道へと入った。そして流浪の6年ののち、ついに人類最高の悟りを得て「仏陀」となった。仏陀となったゴータマはその生涯をかけて、心の教えを説き、さまざまな人々を苦しみの境地から救っていった。それから幾多の月日が流れ、荒廃した現代の世を救うために、「仏陀」はこの地に再誕する。
桜岡女子学園の高校2年の教室、倫理社会の授業中に居眠りで山田先生に注意される女子高生の天河小夜子(あまのかわ さやこ)。ここで2500年前ゴータマ・シッダールタの人生が教科書に出てくる。
新聞記者の金本に憧れる彼女は、自身もジャーナリストを目指していた。ある日、その金本は汚職事件に関するガセネタをつかまされて誤報を出してしまい、これを苦にしてホームから電車に飛び込んで自殺してしまうのだった。
その死亡のニュースを聞いてショックを受けた小夜子は、精神的なショックから、そのときから霊が見えるようになってしまい、困惑した日々を送っていた。ある日、金本が自殺したところの駅のホームで、あやうく電車にひかれそうになる。その瞬間、小夜子を救ったのは、大学生の海原勇気 (うなばら ゆうき) だった。小夜子は、ふとあることで知った「ある言葉」に興味をいだきつつ、心配して「行くな」と止める彼の気持ちをよそに、放送番組で知った「仏陀」と名乗る人物の会合に行くことにした。
しかし、真実を求めて見えない世界の中をさまよいはじめた小夜子には、次々と恐ろしい魔の手が襲いかかる。

(引用 Wikipedia 仏陀再誕


2009年の日本映画。
幸福の科学によるアニメ作品。

浦沢直樹の「20世紀少年」はカルトとの戦いを描いた漫画で、作品後半では文化(自由)VSカルトという構図で対決が描かれていた。この場合の文化というのは直接的な意味と同時に多分に比喩的な表現も含んでいるわけだが、カルト宗教は所詮洗脳であり、本当に人を惹きつけることができる「文化」とは違うということが強調されていたように思う。

幸福の科学がカルトであるかどうかはともかく、果たして馴染みのないマイナーな宗教(団体)というものが全面に出て製作された映画が多くの人を惹きつけることが出来るのかどうか。

作品の出来がよければ宗教の胡散臭さなんてどうでもよいというのがほとんどの一般市民の意見だと思うが、信者だけでなく広く色々な人に見てもらおうと大々的に宣伝されていたこの作品はどうなのだろう。

興味を持って観たわけだが、はっきりいえば作品の出来にはがっかりした。作りがちゃち過ぎる。雑で脈絡のない場面展開とプロット。
霊とか超能力とかUFOとか幸福の科学の教義であるとか幸福の科学にとっての常識というのはファンタジーとしてそれはそれでいいのだけど、その教義の正しさであるとか非常識な常識の説明と正しさと美しさを証明する意図が単純なストーリーの上にありありとわかってしまうので、信仰のない者からするとどうしても観ていてどん引きしてしまう。

ティーンエイジャーの恋愛とか勧善懲悪とか家族愛とかのフィクションとして分かりやすい要素で肉付けしたところで教義を映えさせるためにストーリー(世界)であるとかキャラクター(人)が存在しているので、インチキ体験談を読んでいるかのような薄ら寒さしかしなかった。
ちょっとぐらい「おっ!」って思わせてみろよ。本気で騙して引き込んでみせろよ。とすら思ったほどで、作り話の娯楽として見て程度が低い。
でも、娯楽映画としては質が悪いけど、信者やこれから入信してくれる人向けの説明・入門映画としては金かかってそうだし、堅苦しさがなくアニメで丸っこい分、とっつきやすくて出来がいいぐらいになるのかな。無茶苦茶だけど一応破綻はしてないし。ただ、そう見ると話の単純さが逆に怖くなるわけで……。

カルトインチキ宗教が蔓延っているせいで(自分達の正しい)宗教が不審がられているという主張や、そのインチキ宗教のモデルがどことなく創価学会・池田大作ぽかったりするところは楽しかったので、是非とも幸福の科学が内に溜め込んでいる創価学会への怨嗟を全て吐き出した上での宗教全面戦争編を描いた作品を製作して欲しいところです。

猿の惑星:創世記(ジェネシス) (映画)

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父のアルツハイマー型認知症を治そうと薬物研究者のウィル・ロッドマンはそのための新薬を開発、実験台としてそれをある雌猿に投与したが、実験は失敗し、雌猿は凶暴化した末に死亡。その後、ウィルはその雌猿が死ぬ前に産んだ仔猿を引き取りシーザーと名付けて育てる事にした。シーザーは成長するにつれ驚異的な知性を発揮していくが、ある日、隣人とトラブルを起こしたウィルの父を守ろうとしたシーザーは隣人を襲ってしまい、それが原因でランドン親子が経営する霊長類保護施設に送られてしまう。だが、シーザーはそこにいる普通の猿達とは馴染めず、しかも横暴なランドン親子の度重なる虐待を受け、人間そのものに対して深い失望感と憎悪を抱くようになる。お金を出してシーザーを取り戻そうとしたウィルの迎えも拒んでしまう。やがて密かに施設を脱走したシーザーはウィルの家からその薬を大量に盗み出し、それを施設中の猿に与えた。そしてシーザーは同じく高い知性を得た他の猿達を率いて革命を起こす。

(引用 Wikipedia 猿の惑星: 創世記


2011年のアメリカ映画。
あの名作『猿の惑星』の原点に挑戦した作品で、まだ地球で人類の繁栄が続く現代を舞台に猿達の逆襲を描くことで後の猿の惑星シリーズに繋げる作りになっており、さながら「猿の惑星エピソード0」といったものになっている。

人間のエゴにより管理され傷つけられた猿達が人間のテクノロジーにより異変を起こし、頭の良い猿になって反乱を起こす。

映像的には猿の表情とアクションが非常に豊かに細かく表現されていて、見ていて面白い。全体的には若干迫力不足な面があり、猿の大軍勢による恐怖感があまり出てなかったのは残念。

ドラマはそつなく作られているが、深みがなく、結局ただの「人間に都合のよい動物もの」になっていて「猿の惑星」という名前に対しての期待に見合うほどには面白いと思わなかった。もう少し人間の愚かさに深入りし、人間と猿を対比させて、社会風刺と皮肉を効かせて欲しかった。

犬神家の一族 (映画 2006年)

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昭和2×年2月、那須湖畔の本宅で信州財界の大物・犬神佐兵衛(いぬがみさへえ)が莫大な遺産を残してこの世を去った。佐兵衛は生涯に渡って正妻を持たず、それぞれ母親の違う娘が3人いたが、彼女たちは皆、遺言状のことばかりを気にしていた。唯一、佐兵衛の死を悼んでいたのは、彼の恩人野々宮大弐(ののみやだいに)の孫娘で佐兵衛もかわいがっていた珠世(たまよ)であった。
同年10月、金田一耕助は、犬神家の本宅のある那須湖畔を訪れた。犬神家の顧問弁護士を務める古舘恭三の助手・若林豊一郎から「近頃、犬神家に容易ならざる事態が起こりそうなので調査して欲しい」との手紙を受け取ったためであった。どうやら若林は佐兵衛の遺言状を盗み見てしまったらしい。しかし耕助と会う直前、若林は何者かによって毒殺されてしまう。
そんな中、佐兵衛の遺言状は古舘弁護士によって耕助の立ち会いのもと公開されるが、その内容は
「相続権を示す犬神家の家宝“斧(よき)・琴(こと)・菊(きく)”の三つを野々宮珠世に与え、遺産は珠世が佐清(すけきよ・長女松子の息子)、佐武(すけたけ・次女竹子の息子)、佐智(すけとも・三女梅子の息子)の3人の中から婿に選んだ者に与える」
という相続争いに拍車をかけるようなものであった。3姉妹の仲は険悪となり、やがて佐武が惨殺され、直前に佐武と会っていた珠世に容疑が向けられることとなる。

(引用 Wikipedia 犬神家の一族


2006年の日本映画。
監督市川崑、主演石坂浩二。

他に映像化作品が幾つもあり、稲垣吾郎版の金田一耕助ドラマでもやったすぐ後といっていい2006年にわざわざ劇場公開された『犬神家の一族』。

良い意味で野暮ったく、センスがある古臭さで、洗練させた手法であたかも洗練されていないような素朴な映像を演出している。作品に漂う品の良さは見事だ。

ただ、犬神家の一族といえば、松子と佐清、佐清と青沼静馬、佐清と珠世、珠世と猿蔵、松竹梅子の3姉妹とそれぞれの息子と佐智の恋人らの思惑と関係性を利用した狂乱という愛憎入り乱れたエピソードが場面が展開されるたびに生み出され、それが和風サスペンスらしい上質な妖しさを醸し出すのが面白いところで、その上でこの作品は限られた尺の中でどのエピソードに注力するのかというのに期待したのだが、どうにもそういった思い入れは感じられず、淡々と進められてあっけなく幕を閉じてしまった。

佐清登場時の白マスク姿の異様さとインパクト、菊を因ませた生首、波立つ水面から突き出た足といったお約束的になったグロテスク映像もあり、安心して楽しめる出来ではあるものの、あまり目新しさを感じず、本作ならではの良さというのが伝わってこなかった。

キャスティングが豪華で名前だけ見れば華があるものの、実際の作品は役者を活かして迫力を与えることができていなかったし、役者も作品の期待に応えて彩を与えることができていなかったように思う。

福耳 (映画)

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フリーターの里中高志(演:宮藤官九郎)は、浅草にある高齢者用マンション「東京パティオ」の中にあるレストラン「タイムマシン」で働くことに。理由は以前入院した病院の看護師だった信長珪(演:高野志穂)に一目惚れし跡を追い、彼女がこのマンションでヘルパーとして働いていることを突き止めたため。仕事の初日、マンションの前で高志は不思議な老人(演:田中邦衛)に出会う。実はこの老人はその朝亡くなっていて、この世に未練があるからと高志に取り憑いてしまう。こうしてフリーターの若者と幽霊の老人の奇妙な共同生活が始まった。

(引用 Wikipedia 福耳(映画)


2003年の日本映画。
クドカンの初主演映画なのだとか。ただし、脚本はクドカンじゃないんだとか。

高齢者用マンションの中にあるレストランで働く冴えない青年が爺さんの霊に取り付かれ、一つの身体に二人分の人格が同居し、お互いの意中の女性を口説き落とすために奮闘するほのぼのコメディ。

爺さんが乗り移った青年が高齢者の女性に迫っていく様がほんのりグロテスクで可笑しい。
雰囲気としてはゆるゆるで優しいが、伏線が弱く、感情の溜めも作れていないので、取ってつけたような展開でドラマチックにしようとしてもこみ上げてくるものを表現出来ておらず、若干滑っている感があるのが残念。

若者も老人も変わらず寂しがりやで温もりを求め、恋とダンスで人生を潤すという構図は面白かった。作中の老人は肌は乾いていても、心は瑞々しかったのである。

龍が如く 劇場版 (映画)

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大ヒットPS2ゲームを映画化したバイオレンスアクション。欲望と暴力が渦巻く眠らない街・神室町。刑期を終えて10年ぶりに街へ戻った桐生一馬は、母を探す少女・遥と出会う。

(引用 amazon 龍が如く 劇場版 通常版 [DVD]


2007年の日本映画。
ヤクザゲーム「龍が如く」を映画化したもの。
桐生一馬役に北村一輝、真島吾朗役に岸谷五朗というキャスティング。
岸谷五朗の真島吾朗は抑揚のつけ方などがうまく、キャラを見事に表現できていると感じた。

現代の東京の繁華街を舞台に、口数の少なさがサマになるヤクザなドラマという雰囲気はでているものの、プロットがかなり雑でひどいレベル。

主人公の目的が何なのか、今起こっていることは何なのか、背景・世界について予習としてゲームをプレイしていないと全く理解できないほど説明不足で、観ている人を無視して勝手にどんどん突き進んでいってしまい、物語が先へ進めば進むほどキョトンとしてしまうような突拍子のない支離滅裂な展開が待ち構えている。

必要性がわからない映画オリジナルのわき道ストーリーのせいで本編の進みが遅かったり、栄養ドリンクを飲んだらヒートゲージが貯まったり体力が回復したりするゲーム的演出が採用されていたり、どうでもいいところにちょっとした龍が如くっぽさであり茶目っ気を出している。

しかし、肝心の本筋のストーリーについては、ゲームを大いに盛り上げた錦山や神宮、風間、そして由美と遥などの複雑な人物相関関係について全く掘り下げられていないどころか、何故お前がいる? お前誰だ? となってしまうぐらい説明不足のまま登場し、説明不足のまま消えてしまうお粗末さ。肝心なところを端折って、余分なものを付け加えているとしか思えない出来。

コスチュームやオリジナリティにこだわるより、もっと原作をリスペクトしたプロットにこだわって欲しかった。
これでは残念な龍といわざるを得ない。

12人の優しい日本人 (映画)

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陪審員全員が「無罪!!」しかしその部屋からは誰も出られなかった-
ある殺人事件の審議のために12人の陪審員が集められた。被告が若くて美人であることから、陪審員全員が無罪の決を出し、審議は早々に終了するかに見えた。しかし、陪審員2号が無罪の根拠を一人一人に問いただし始めたところから、審議の様相が混迷を呈していく。彼らは果たして「真実」に辿り着けるのだろうか…。

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1991年の日本映画。
三谷幸喜(東京サンシャインボーイズ)の舞台を映画化させたものなのだとか。

もしも日本に陪審員制度があったらというネタで陪審員による審議を面白おかしく描いた本作。
選ばれた12人の個性的な陪審員が事件に対して、時にひたむきに、時に投げやりになりながら討論を重ねていく。
ほぼ陪審員同士の議論だけで成り立っている本作は、脚本の魅力がシンプルに表現されているともいえ、とんちの利かせ方や揚げ足の取り方、視点の変え方、誘導尋問的なやりとりなど、古畑任三郎っぽさを窺わせ、三谷幸喜らしいセンスの光るぐだぐだムービーになっている。

陪審員が有罪か無罪かを判断する。全員一致でなければならない。
素人の陪審員達が密室内で事件に対して旺盛な想像力を働かせてああだこうだと云々する滑稽なシチュエーションにおいて、客観的事実を都合よく利用して主観による判断への牽強付会を延々と繰り返しながら、やがて全員一致で辿りつく「真実」。
という風刺の効いた知的コメディになっている。あんまりにも同じことをずっと繰り返しているので冗長な感じがするのだけが残念。

カイジ2 人生奪回ゲーム (映画)

「カイジ2 人生奪回ゲーム」DVD 豪華版「カイジ2 人生奪回ゲーム」DVD 豪華版

数々の命懸けのゲームに勝利し、多額の借金を帳消しにした伊藤カイジ(藤原竜也)。
まさに人生の逆転を果たしたと思いきや、1年も経たないうちに、またしても借金まみれの「負け組」に。
再逆転を目指すカイジが今回挑むのは、当たれば10億円以上稼げるモンスターマシーン、通称“沼”。
ただでさえ難攻不落の“沼”を、更に100%攻略不可能なようにコントロールしているのは、裏カジノの若き支配人・一条聖也(伊勢谷友介)。
しかも、カイジと一条の間には、驚愕の因縁があった。地上300mの超高層ビルの間に渡された細い鉄骨を渡るという、まさに命懸けのゲームに挑戦して渡りきった男は、一条とカイジの二人だけだったのだ―
そんなカイジにとって最大最強のライバル・一条が支配する”沼“を攻略するため、今回カイジは、同じ「負け組」の石田裕美(吉高由里子)、
坂崎孝太郎(生瀬勝久)、そして前作でカイジの行く手を阻み続けていた利根川幸雄(香川照之)とまで手を組む。
それぞれの理由でドン底の人生を送る「負け組」 4人が、希望ある人生を奪回するため、またしても命を懸けた数々の究極のゲームに挑む!!

(引用 amazon 「カイジ2 人生奪回ゲーム」DVD 豪華版


2011年の日本映画。実写版カイジ第2作。

本作は地下チンチロ・沼パンチコ・姫と奴隷がギャンブル種目として描かれる。姫と奴隷は映画オリジナルとのこと。
地下チンチロは作品冒頭のわずかな時間にしか描かれていない。本作の実質的なメイン種目はパチンコ「沼」になっており、沼パチンコの展開上に姫と奴隷がエッセンスとして採用されている。

1作目で既に地下強制労働場が取り入れられているし、原作の沼パチンコ編の遠藤とカイジの金の貸し借り、遠藤がカイジに人生を託す名シーンが使われており、ほぼやりつくしたような感はあったので2作目はどうかなと思っていたが、実際に観てみるとそんなに悪くはない。

原作をリスペクトしつつも、カイジを藤原竜也、利根川を香川照之というキャスティングをうまく利用して実写ならではのニューカイジワールドを作ろうという気概が作品から伝わってきたし、本作ではカイジと利根川が共闘するのだが、利根川が威厳ありそうでどこか小悪党的なマヌケさがあるところが香川照之らしく、そうであるからこそカイジと共闘しても違和感がない柔軟な展開を見せてくれている。

不満点は、序盤の地下チンチロ編からから地上編に移るまでに何があったのか、予め原作を読んでいた人じゃないと把握しにくい。カイジは地下強制労働場の仲間達の運命も背負って地上に出てきたようなのに、そのあたりの設定は便宜上使われた程度にしかなっておらず、展開に全然反映されていない。

それと、パチンコ編屈指の名シーン、遠藤が追い詰められたカイジに金を貸すシーンを前作でやってしまっているから、本作でやってくるそのシーンその時がオリジナルのものになっているとはいえ、切実さと迫力に欠け、更に既視感を抱かせるというあまりよくないパターンに陥っていた。

前作の遠藤が女(天海祐希)であり、マドンナ的ポジションだったが、本作では石田の娘がそれになっている。演じているのは吉高由里子だが、はっきりいって冴えが見られず稚拙な演技。これでカイジとの騙しあいに一応参加するというのだからきつい。

あと、展開が早いのはいいが、ギャンブルシーンでの駆け引き・読みあい、及びそれを引き立てる「溜め」が弱すぎなところも前作同様気になった。

などなど、挙げれば不満もあるのですが、目も当てられないほどの漫画原作の映画化失敗が多いことと邦画のレベルを考えれば、実写でこれだけやってくれればとりあえず満足といえる程度の出来ではあると思いました。

インデペンデンス・デイ (映画)

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アメリカ独立記念日を控えた7月2日、直径24キロにも及ぶ円盤型のUFOがニューヨーク、ロサンゼルス、ワシントンD.C.だけでなく、世界中の大都市上空にも出現した。混乱に陥る中、アメリカ政府は交流を求めるためにUFOとの交信を試みるも、容赦ない攻撃を受けてしまう。ようやく彼らが侵略者である事を理解するが時遅く、エイリアンによる一斉攻撃が開始された。 地球侵略に動くエイリアンの大群に、立場の異なる3人のへなちょこ中年男が敢然と立ち向かう。

(引用 Wikipedia インデペンデンス・デイ


1996年のアメリカ映画。
巨大UFOによって突如出現したエイリアンによる地球侵略とそれに抵抗する人類の戦いを描いたSF。

地球規模に大風呂敷を広げて人類といっても中心として描かれるのはアメリカ。
構図・話の展開のさせ方としてはありがちな人類対エイリアンのアクションSF。
シーンの中心となる人物を複数用意してそれぞれの人物にバックグラウンドを用意し様々な視点によるドラマから本作は紡がれるわけだが、全体的にやや冗長な感じがしながらもその割に説明不足で消化しきれていない。捻りはあるけれどキレのないところが残念。

ただ、とにかくシーンの一つ一つに本気さが伝わってくる痺れる出来で、その映像の作りこみ具合は96年の作品とは思えないほどの迫力を出している。

父権と男らしさをエイリアンとの戦争にリンクさせて一切の臆面なくナチュラルに主張できちゃうところがアメリカらしい。奮い立つところにギャップがない、無理なところがないって凄いことだと思う。

リング0 ~バースデイ~ (映画)

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ついに明かされる、貞子出生の秘密。
前作から1年、リング完結編は今世紀最悪のエンディングを迎える。
昭和43年、山村貞子18歳。母志津子の死後、上京し劇団の研究生となった彼女は、いつも何かの存在に怯えていた。
ある日公演を間近に控えた稽古中、主演の若手女優が謎の突然死をとげた。貞子が代役に抜擢されたが、劇団内に不穏な空気が流れ始める。
連続する不可解な怪奇現象、続発する死者。すべての元凶が貞子にあると確信した劇団員たちは、彼女に襲いかかる。
そしていま、想像を絶する貞子の秘密が明らかになる。

(引用 amazon リング0~バースデイ~ [DVD]


2000年の日本映画。
微妙な出来だったリング2から視点を過去の時代に移し、井戸に落とされる前の少女貞子をテーマにしている。

貞子の悲劇と不遇が東京の劇団を舞台に描かれている。
束の間に仄かな恋心と役者としての脚光という明るい光を差し込ませることで後の悲劇をより際立たせる手法がとられており、貞子が井戸に落とされるまでをホラーであることを忘れずに如何にドラマチックにするかに重点が置かれているような作品だった。

ただ、束の間の光にこだわりすぎた結果、悲恋のドラマとしてはなかなか物悲しく良い出来になっているものの、クライマックスを盛り上げる暗いホラーな部分はかなり大雑把でこじつけな設定に感じたし、貞子を完全な被害者にして、尚、人として出来すぎた性格のまま井戸に落としてしまうのもどうかと思った。貞子を2つに分けるよりも1人の貞子としての感情の複雑さを表現して欲しかった。

貞子が人を次々に殺していくシーンも、今までの作品が積み立ててきた「貞子のイメージ」があっての恐怖で、本作だけのホラーシーンでみると、やや単調であけすけな大量殺戮になってしまっているのが残念だった。

とはいえ、貞子ファンなら見て損はない切ないJホラー風ドラマとして楽しめる良い作品。
貞子役で主演の仲間由紀恵。あの綺麗で清純過ぎる容姿が自然に演技と存在感にいい意味で浮世離れであるとか薄幸・孤立した感じを出せていて良かった。それが陰気ではなくて透き通っている感じなのが魅力的でした。

リアル鬼ごっこ2 (映画)

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殺人ゲームから半年後のパラレルワールドでは、またしても佐藤さんが追いかけられるリアル鬼ごっこが行われていた。佐藤翼と妹の愛、親友の洋は、鬼ごっこを提案した独裁者に対するレジスタンスとして活動していたが、ある日突然翼が鬼3匹を連れて現実世界にスリップしてしまった。

(引用元 Wikipedia リアル鬼ごっこ2


2010年の日本映画。リアル鬼ごっこ2。

残念な出来の前作の設定とストーリーを引き継いで製作されてしまった残念な映画だった。

それでも前作に比べればだいぶ手間がかかっているような映像作品には仕上げられている。
特に鬼ごっこに纏わるアクションシーンは、前作と同じ街中を駆け回るシーンでも人ごみの中を走り回ったりしている事で疾走している感覚はあるし、建物の中でのシーンで障害物や死角を利用したりとそれなりの緊迫感を出すことには成功している。

新たに登場した平行世界(パラレルワールド)でバイオハザード風に容赦なく銃弾をぶっ放していく設定にした点もアクションにわかりやすさと迫力がついたので好感を持った。

ただ、話のパターン自体はほぼ前作と同じで、ストーリーの見せ方・繋ぎ方・盛り上げ方がうまくないので、作品そのものとしては結局チープで平坦・退屈なものになってしまっているのが残念だった。
もう少し平行世界ネタを大胆に使い、2つの世界それぞれの人物の相関関係や影響などの要素に拘ってドラマを組み立てて欲しかったなと思う。

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