寮の近くにある閉店前のスーパーに入った主人公・佐藤 洋。
彼の目の前で半額シールを貼られた弁当に手を伸ばしたその直後、凄まじい戦いに巻き込まれて意識を失ってしまう。
しばらくして目が覚めたときには、なんと半額弁当は全て消えていた。
そして偶然、その場で同じ学校の白粉花と出会う。
翌日も同じスーパーに向かってみるが、佐藤は再び気を失ってしまう。
その後店員から聞いた《氷結の魔女》の話。
また次の日も佐藤はスーパーへ再び向かっていくが・・・。これはスーパーの半額弁当を巡る狼たちの戦い。半額シールが貼られた瞬間、人であった存在は魔性を解放させて獣となり、スーパーは戦場と化すのだ!
夕食が供されない寮で生活を送る高校生の主人公がスーパーの半額弁当争いに巻き込まれたところから始まる青春バトルコメディタッチのアニメ。
ギャルゲーとかの男性向けサブカル作品の主人公って一人暮らしの設定であることが多いけど、果たして、その食生活はどうなっているのだろう。そこをちょっとクローズアップして掬いあげた面があり、かわいい女の子との出会いを通した眩しい青春の裏で、主人公がスーパーの安い食品に頼るリアルな生活感が滲み出ているところが面白い。
スーパーの半額弁当をゲットすることに命を捧げた者達の姿を真剣にバトル物として描いており、半額シールが貼られるのをゴングとして、スーパー内で殴り合いが始まるのが当たり前の世界観。生きるための半額弁当を巡って、死と隣り合わせの危険なバトルをするところ、馬鹿馬鹿しいと思いきや、現代日本社会の縮図的なものを比喩している風に捉えられるのも興味深い。
スーパーの半額弁当とそれを巡る戦いはロマンであり、リアルでもあるのかもしれない。
ラノベ原作の萌え系ジャンルに分けられそうなアニメだが、1話を見る限りでは、パンチラなどの露骨に青少年の劣情に応えたお色気シーンはなかった。ただ、主人公が高校1年男子という設定で、女の子のミニスカートから伸びる足、絶対領域などについつい目にやってしまうシーンはあった。あからさまなエロじゃないけど、性に興味津津だが奥手な思春期の男子のリアルな目線をそれとなく表現することで、オタク・サブカル男子に自分の姿を主人公にうまく重ねてもらって、心を掴んでいこうとする意欲を感じる良い演出だと受け取った。ちなみに、僕がリアルにあのぐらいだった頃は透けブラが気になってしょうがなかった。
なお、大塚製薬がスポンサーになっているのか、第1話には同社のカロリーメイトや
ソイジョイがプロダクトプレイスメントとして、そのまま劇中に登場している。短いシーンとはいえ、さりげなさを捨てて、違和感を覚えるほど露骨に絡めようとしすぎているのではないかと思ったところもあったが、苦しいアニメ制作事情を考えれば、こうなるのもやむを得ないのか。
ところで、タイトルにもなっている納豆オクラ丼ぶっかけチーズトッピング弁当。納豆オクラ丼まではともかく、ぶっかけチーズトッピングって、それ美味しいのでしょうか。想像するとちょっと怖いですね。