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読んで遊んで沈んだ記憶

主に日記です。

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逆転裁判 (映画)

逆転裁判 [DVD]逆転裁判 [DVD]

売上本数430万本の大ヒットゲームシリーズ映画化!
映画は、名作ゲームの呼び声高いシリーズ1作目のキャラクターやストーリー展開の面白さをベースに構築。「逆転裁判」の面白さは、犯罪増加でスピード結審が優先させる「序審裁判」が導入されている近未来の日本を舞台に、熱血漢の新米弁護士・成(なる)歩堂(ほどう)龍一(りゅういち)が依頼人の真実を勝ち取る為、自ら捜査して集めた「証拠」を突き付け、嘘を暴いて真犯人を見つけ出す痛快さとそのスピーディなストーリー展開にあります。

(引用 amazon 逆転裁判 [DVD]


2012年の日本映画。
同名の人気ゲームシリーズを実写映画化したもの。

ストーリーはゲームシリーズの一番初めの作品『逆転裁判』に収録されている各エピソードの要点を網羅したものになっている。
逆転裁判は独立した複数のエピソードが、話が進められると、それらが全て繋がりを見せていき、一つの大きな真実、偉大な逆転に辿り着くようなギミックになっているのが魅力だから、ストーリーをなるべくゲームに忠実に合わせて作ろうとしているのは良かったと思う。

しかし、映画版では尺の都合か、どうしても一つ一つのエピソードにボリュームと描き込みが足らず、作品そのものはあっさりした感じになってしまっているのが否めない。駆け足で話が展開していくので、ゲームをプレイしたことのない人にとっては説明不足でわかりづらい作品でもあった。

それでも、逆転裁判のシリアスとコミカル、そしてロジックとオカルトを使い分けたゲームのノリをなるべく忠実に再現しようとしているし、各登場人物のビジュアルも、現実にはかなり奇抜なものであっても、そのまま実写で表現しているのは面白かった。マヨイちゃんはちょっとケバすぎじゃないかと思ったけど……。

作中のほとんどを法廷バトルのシーンが占めるが、ゲームであった、現場や証拠品の再現という便利な要素を映画版ではハイテクのバーチャルリアリティという設定を用いて、傍聴席にいる人間にもわかりやすく伝えようとひと手間かけており、そういうあちらこちらに見られる工夫が、世界観に入っていきやすいものにしてくれていたとも感じた。

心霊写真 呪撮 (映画)

心霊写真 呪撮 [DVD]心霊写真 呪撮 [DVD]

数々のホラー作品を世に送り出してきた吉田浩太監督が“心霊写真”をテーマに実写ドラマ化。弟から送られてきた携帯メールに映っていた森の写真。よく見ると、遠くの木々に紛れ女性の姿が写っていた。以来、主人公の運命が恐怖にさらされていく。

(引用 amazon 心霊写真 呪撮 [DVD]


2006年の日本映画
心霊写真をテーマにしたホラー。
両親の離婚によって引き離された姉弟が、家庭の事情だけでなく心霊写真の恐怖にまで振り回される話で、就職活動がうまくいかず、娘に勉強を押し付けて自分のような惨めな立場にはさせまいとするノイローゼ気味の教育ママなど序盤から雰囲気がいい感じに狂気じみていて期待させられたが、怖そうになりそうな要素はあちこちに散りばめられているのに、最後まで見るとそれらの設定をうまく活かしきれていないのが残念だった。

心霊写真ネタについては、思わせぶりなまま最後に真相を出して怖がらせようとしているところは良かったが、追及が弱く、物語に感情移入していけなかった。
主演の寺田有希は頑張っていたし、展開に捻りもあった。しかし、厚みと濃さが全くなく、淡々と話が流れて終わってしまったのが悔やまれる。もう少し作りこんでくれれば、と思ってしまうほど、センスは感じる作品だったのだが……。

ワン・ミス・コール (映画)

ワン・ミス・コール DTSスペシャル・エディション [DVD]ワン・ミス・コール DTSスペシャル・エディション [DVD]

心理学専攻の女子大生ベス・レイモンドは、数日のあいだに二人の友人の怪死を目撃する。
一方、妹の変死をきっかけにその謎を探るジャック・アンドリュース刑事は、やがてベスと出会う。
死んだ彼らに共通した事実、それは、死の数日前に携帯電話に着信を受け、留守電に残された自らの断末魔を聞いていたことだ。
そして同じ叫び声をあげて死んでいった。やっと手がかりをつかんだ彼らだが、まもなくベス自身が“死の予告=呪いの着信”を受けてしまう……。

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2008年のアメリカ映画。
Jホラー映画の『着信アリ』のハリウッドリメイク版で、映像演出が如何にもアメリカのホラーといったようなゾンビや虫をふんだんに用いたものになっている。

表面的には柴咲コウが主演した一番初めの着信アリをそのままなぞっているのだが、良く言えばテンポが良く、悪く言えば大雑把で平坦な出来で、邦画版の方にあった溜めと静寂がなく、ストーリーのどこを重点的に見せたいのか、どこに迫力を出したいのかがぼやけてしまっていた残念な作品になってしまっていた。

という、リングのハリウッドリメイク版を観た時と概ね同じ感想を抱いた。

着信アリFinal (映画)

着信アリFinal スタンダード・エディション [DVD]着信アリFinal スタンダード・エディション [DVD]

修学旅行で韓国へと行くことになった安城高校2年C組。ネットで知り合った韓国の男友達アンジヌと逢えることを楽しみする草間えみりだが、なかよしのクラスメイト、松田明日香がイジメのために参加しないのが残念だった。そんな修学旅行中、女子生徒の一人が死の着メロを受け、予告通りに無惨な死を遂げる。その後も鳴り続ける死の着メロ。そしてその死から逃れる唯一の方法は、送られてきた死の予告を誰かに転送することだった。「転送スレバ死ナナイ」--楽しいはずの修学旅行が恐怖の修学旅行に変わる…。

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2006年の日本映画。
着信アリシリーズ完結編。
日本の高校生が韓国に修学旅行に行くという設定で、韓国が舞台になっているところに、韓流ブーム、また、インターネットの繋がりを利用し、悪霊に負けない明るい正の感情を応援メッセージとして世界中の人間に送ってもらうことで、呪い(美々子)を倒すという展開にはSNSブームを取り入れていると感じた。

話自体はぐだぐだで、いじめ被害者の復讐劇になっているのに、途中からその設定を簡単に覆したり、着信アリの呪いの着信音と共に死ぬ場面の予知として送られてくる、音声や映像のギミックも途中から省略された大雑把なものになっていくのは残念だった。
また、着信を転送すれば死なないというリングあたりを真似たようなとってつけた設定を加え、学校のクラスといじめのテーマとをリンクさせた心理的駆け引きを演出しようとしているあたりも、ご都合主義的で適当な感じがした。

破綻した物語と学校のいじめ、そして美々子の呪いをリンクさせ、解決方法なんてないというメッセージを出しているところは面白かったが……。

リアル鬼ごっこ5 (映画)

リアル鬼ごっこ5 [DVD]リアル鬼ごっこ5 [DVD]

ダメな新入社員の大地(井上正大)は密かに先輩女子社員の希(仲間リサ)に恋心を抱いていた。ダメ社員どうしの浩太(浅利陽介)と残務処理をしていると突然社内にアナウンスが響く。「これよりリアル鬼ごっこを開始します。ターゲットは血液型がB型のみなさんです」。戦場と化すオフィス。希の危機を救う大地だが、希の彼氏・朔也(河合龍之介)に罠にはめられ、浩太らと共に社外に放り出されてしまう。朔也の本性を見抜いた希は自分を助けてくれた大地を気遣う。一方、社外で逃げ延びた大地は希を救うため、オフィスに戻る決心をする。

(引用 amazon リアル鬼ごっこ5 [DVD]


2012年の日本映画。
リアル鬼ごっこ新三部作シリーズの完結編。

34が学校校舎を舞台にしていたのに対して本作ではオフィスビルが舞台になっている。
ベタな恋愛劇を演出しつつ、3と4の話をリンクさせ、王様が何故血液型B型の人間に対してリアル鬼ごっこをさせたのかという理由が明かされるのだが、どれもあまりうまくなく、盛り上がりに欠け、緊迫感のないチープな出来のまま終わってしまったのが残念だった。

ギミックはあるのに、それを活かしきれておらず、モヤモヤ感があるのが勿体無かった。

リアル鬼ごっこ4 (映画)

リアル鬼ごっこ4 [DVD]リアル鬼ごっこ4 [DVD]

女子校内で一匹狼のツカサ(相楽 樹)は、マユリ(前田希美)率いる不良グループに絡まれていた後輩のユイ(未来穂香)を助ける。授業が開始された途端、アナウンスが響く。「これよりリアル鬼ごっこを開始します。ターゲットは血液型がB型の皆さんです」。構内に鬼たちがなだれ込み、あっという間に捕まっていく女生徒たち。なんとか校外に脱出したツカサとユイの前に、他校から逃げてきたマサハル(荒井敦史)が現れる。男嫌いのツカサと自己中心的なマサハルは、いがみあいながらも協力せざるを得なくなっていく。

(引用 amazon リアル鬼ごっこ4 [DVD]


2012年の日本映画。
リアル鬼ごっこ新三部作シリーズ。
主な登場人物と舞台となる学校は変わりながらも、3の続編という位置づけで、世界観を共有したものになっている。
3に出てた登場人物の一人が本作でも活躍する。

観ていて気付いたのだが、本作では西暦3000年というかなり未来の設定になっている。しかし、今の我々の生きている西暦2000年代と全く同じビジュアル演出で製作されている。適当な設定なのかもしれないが、絶対君主制のもとで、日本は進歩することができなかったとか、あるいは、独裁者の支配下における過去への退行という意味合いを持っているのかもしれないと考えることもできる。

その独裁者としての王様の命令によって今回も血液型がB型の人間を対象にリアル鬼ごっこが始まる。
基本的なプロットは前作3とほとんど全く同じものだが、本作の舞台は女子校となっている。
キャラの個性付けとそれをベースにした友情物語や、生き残るための女同士の駆け引きなどがアニメやライトノベル調の如何にもティーン向けといった風に誇張されたものになっており、疑心暗鬼が演出されていて、ちょっとだけバトル・ロワイアルっぽさがあったところは面白かった。

リアル鬼ごっこ3 (映画)

リアル鬼ごっこ3 [DVD]リアル鬼ごっこ3 [DVD]

全国のB型のみなさん、理由はなんだと思いますか?あまりにも“○○○”だからです。
陸上部に所属していたスグル(山賢人)は、プレッシャーに負けドロップアウトしたことでパートナーのオンジ(岸田タツヤ)と険悪な関係となっていた。いつものように屋上でコダマ(森田直幸)と授業をサボっていたとき、突然校内にアナウンスが響く。「これよりリアル鬼ごっこを開始します。ターゲットは血液型がB型のみなさんです」。瞬時に殺人鬼ごっこが始まり、学校内は阿鼻叫喚の地獄と化した。走るとめまいが起きてしまうスグルを救う下級生のリノ(山谷花純)。必死の逃亡劇の中、スグルとオンジは次第に友情を取り戻していく。

(引用 amazon リアル鬼ごっこ3 [DVD]


2012年の日本映画。
リアル鬼ごっこシリーズ再始動、新たな三部作といういことで、12の二部作と話の繋がりを持たせずに、世界観を一新して制作されている。

ただ、話の筋、下敷きはほとんど変わっておらず、1のリメイクを観ているような感覚に陥った。ドラマの描き込みが弱く、鬼が迫ってくる恐怖の演出も淡白なものだった。
前作と違う点というと、学校の校舎内がメインステージになっているところと、殺される対象がある「姓」ではなく、ある「血液型」になったというところじゃないだろうか。しかし、その設定を活かせていない。
それ以外の、父と息子の関係や、男同士の友情の見せ場などは、同シリーズにおいて既視感のある要素ばかりで構成されていた。

同じシリーズの作品を真似るんじゃなくて、他のホラー映画から盗んで作ったほうが面白いものが出来そうな気がするのだが……。

エアフォース・ワン (映画)

エアフォース・ワン 特別版 [DVD]エアフォース・ワン 特別版 [DVD]

アメリカ合衆国大統領のジェームズ・マーシャルは、ロシアと共同しソ連復活を目論むカザフスタンの独裁者イワン・ラデクを拘束し、モスクワでテロと戦う演説を行った。その帰路、マーシャルは大統領専用機「エアフォース・ワン」にロシアのテレビクルーたちを同乗させるが、彼らの正体はラデクの奪回を目論むテロリストであった。
テロリストたちはハイジャックを成功させたが、マーシャルには機内備え付けの緊急脱出用ポッドで脱出されてしまう。しかし、マーシャルはポッドだけを落として脱出したように見せかけ、機内に潜伏していた。家族と人質を救うため、マーシャルはテロリストたちに孤独な戦いを挑む。

(引用 Wikipedia エアフォース・ワン


1997年のアメリカ映画。
テロリストに乗っ取られた大統領専用機「エアフォース・ワン」で、家族と人質を救うためにハリソン・フォード演じるアメリカ大統領が孤軍奮闘する。

テロに屈せず、家族思いの父親で、戦争経験者で、と、英雄主義のアメリカの理想とする典型のような大統領像を作ってみせており、その大統領がスリリングな展開の中で逞しく躍動する様にどれだけ酔いしれるかの作品になっている。
若干冗長さはあるものの、アクションもドラマも丁寧に作られており、映像的迫力も素晴しいので、気楽に娯楽作品として観て楽しめる。

実際にそうなった時に、大統領が体を張って前線に出ていくのは愚行であるのかもしれないが、それでも、いざという時は体を張れる人がリーダーであって欲しいという為政者に対しての思いは、素朴な感情として、アメリカだけのものではなく、普遍的なものといってもいいのかもしれない。

着信アリ2 (映画)

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前作から約1年後の話である。自分を助けた山下弘(堤真一)を殺害した中村由美(柴咲コウ)は精神鑑定の結果、不起訴になり精神科に措置入院させられた。しかし彼女は本宮勇作(石橋蓮司)を殺害後失踪し、今は行方知れずである。
一年も経っているにも関わらず未だに、水沼美々子が関与したと思われる着信に寄る死亡事件は続いていたが、口の中から赤黒い飴玉が出てこなかったり、代わりに胃の中から台湾産の微量の石炭が発見されたり、携帯も持っていない人が犠牲になったりするなど少しずつ変化を見せていた。そんな中、保育士の奥寺杏子(ミムラ)のまわりでも、死の予告電話によって犠牲者が続出する。 やはり1年前の呪いはまだ終わってはいなかったのだ。そして杏子自身にも死の予告が着信される。
大きく取り乱すも杏子は恋人の桜井尚人(吉沢悠)と死の予告電話の真相を追うジャーナリストの野添孝子(瀬戸朝香)とともに死の呪いの元凶に迫った。孝子は死の予告電話の元凶とされる水沼美々子について調べ上げた。美々子は望まれて産まれてきた子ではなく、母親のマリエと実の父親の間に、性的虐待によって産まれてきた子だということが分かった。そして一連の事件のルーツは台湾にあると知り、台湾まで行くことになった。死の予告を受けた杏子自身も、台湾に向かう。
台湾でも日本と同様のあの死の着信事件が多発していて孝子の婚約者である弁護士のチェン・ユーティンの助けを借り、ルーツを探る3人。そこで杏子たちは呪われた村から、唯一生還した盲目の老婆ガオ・スウメイからリー・リィーという少女に関する80年前に起こった悲惨な事件の驚愕の事実を知ることになる…。

(引用 Wikipedia 着信アリ


2005年の日本映画。
着信アリ』の続編。

今回も死の着信音が猛威を振るうわけだが、前作と話の繋がりをもたせたまま、美々子と同じポジションでリー・リィーというキャラが出てきて、しかも、舞台が台湾に移るので、話が込み入ったわかりにくいものに仕立てられている。これを利用した仕掛けをドラマに活用している。

美々子の他にリー・リィーとそれに纏わるエピソードによって話の幅と新鮮さを齎そうとしているものの、美々子に比較するとリー・リィーの存在はどうしても取ってつけた感じがし、結局は前作の焼き直しでしかないのが残念だったが、それでも、前作の主人公と美々子の共鳴についての説明と補完があり、本作ではその「共鳴」をテーマにしながら、美々子とリー・リィー、二人がそれぞれが共鳴しあう相手とそのパートナー達との間に起こるドラマが、安っぽい恋愛映画調でありながらも、あくまで死の着信音(ケータイ)にこだわった物悲しい結末に持っていったところは、見応えはあった。

ホラーとしても、前作同様に娯楽性を意識したそれなりに質の高いものになっている。

着信アリ (映画)

着信アリ(通常版・2枚組) [DVD]着信アリ(通常版・2枚組) [DVD]

ある日友人の携帯に届いた奇妙なメッセージ。それは3日後に訪れる死を知らせるメッセージだった…。柴崎コウ主演、原作は秋元康。そして監督には三池崇史が起用されている。

(引用 amazon 着信アリ(通常版・2枚組) [DVD]


2004年の日本映画。
死を予告する電話がかかってきた人物がその予告通りに死んでしまうというホラー。
現代社会に生きる我々にとって必需品になった携帯電話を題材にしている点がユニークで面白いものの、基本的なプロット自体は『リング』や『呪怨』などの日本を代表するホラー作品のオマージュに終始したような出来で、目新しさがない。

しかし、細かい点を気にしなければストーリーもよく練られたものになっていて、うまくまとめてあると思ったし、要所で刺激的なスプラッター映像を挿入したり、大袈裟に恐怖を演出してみせるなど娯楽性を常に意識して製作されている作品と感じた。

死を予告する電話の通りの未来への誘導の仕方はギミックとして楽しめた。
連鎖的に広がる死への恐怖から簡単に友達と縁を切ろうとする(携帯電話のアドレス帳から自分の電話番号を消してもらおうとする)人達については、ケータイ世代(若者)の繋がり方についての批判が加えられていて、そのケータイの繋がりの都合の良さに納得できないのが柴崎コウ演じる主人公であるが、彼女には親に虐待された過去があり、それが心に暗い影を落としていた。
同様に死の着信の元凶もまた家庭内の問題の被害者といえる存在であり、本作内でも示唆されていたが、「虐待が虐待を生む」がテーマにされており、ラストに「着信」の正体が美々子であることが明らかになり、彼女は主人公と一体化し、主人公とそれまで行動を伴にしてきた堤真一演じるパートナーの男性を刺す。
そして、彼女は代理ミュンヒハウゼン症候群のように、堤真一を傷つけてはそれを看護するという行為を繰り返していくという結末で幕を閉じる。
だが、これは美々子が柴崎コウ演じる主人公を乗っ取ったというよりも、主人公自身もまた「虐待が虐待を生む」のメッセージのもとに自ら美々子と一つになった、もう一人の美々子であるという見方ができる。
ケータイで繋がる「普通」に批判的な、もしくは馴染めない主人公自身が、不器用で、傷つけることでしかコミュニケーションを取れない問題児的な存在であるという表現であり、死を予告する電話の通りの未来への誘導のように、虐待加害者もまた、被害者であり、加害者へは自身の意識では抗え切れない強い力によってそうなっているのかもしれないという、コミュニケーションのあり方、難しさについて考えさせてくれる内容になっている。

世間での評判はあまり良くないようだが、これで邦画のホラーとしては上出来なレベルのクオリティなのではないかと個人的には思う。演技派の役者を揃えてあるのも好印象だった。
本作から始まる着信アリシリーズは残念なことにこの後、続編が出る度につまらなくなっていくのだが、シリーズ最初の本作『着信アリ』だけは佳作と推したい。

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